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建設業の総務・経理に携わって、数十年… ”脱どんぶり勘定”を目指す経営者様の補佐役として事業で邁進中。日々の出来事や思いを綴ります。
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建設業の元請と下請の契約金額の取り決め方法に他の業種には見られない方法があります。

それは、契約金額の借り貸しです。

どういう意味かについてお話します。

それは、この式が全てです。

請負金額(売値)-自社の利益(経費)=原価(支払原価)

他の業種では、原価+利益(経費)=売値が在庫処分等特別な事を除けば売値は原価以下はあり得ません。

しかし建設業では安値で契約をすれば、安値で発注して自社の利益を確保する事が至上命令です。

大手企業になればなるほど、又実行予算等支出の管理がしっかりしている建設会社になればなるほど赤字の工事等は出せません。

だから安値で下請に発注をする時に、今回は借りておくが次回の利益余裕のある工事で返すとなる訳です。でも厳しい工事が多いので確実に戻して頂ける保証はありません。

何故そうなるか?不思議ですが、その理由はいくつか考えられます。資金繰りの関係、抱えている職人さんの関係、取引先を失いたくない理由、入札等競合先の関係等々あります。

ここで申し上げたいのは、発注先からの指示された金額で工事を施工する中小の建設会社の取組として、原価管理の必要性です。

幾ら貸しているのか?又今回の工事で幾ら赤字があったのか?等の把握が出来ていない会社が多い訳です。

少なくとも大手元請はしっかり把握出来ている訳です。

ある専門工事の会社さんで実際にあった話ですが、原価管理をきちんと始めたら、主要元請先のA社に対して、1年間の取引を通算して

実際の売上高4000万-支出原価4600万=600万の赤字 

この原価4600万は直接の材料費や職人さん等の支払分だけです。

この他に積算の経費、営業の経費、事務費等間接的に掛かった費用は更に赤字に加わる訳です。

建設業の社長さん、知らないだけで貴方の会社の儲からない理由もこんな所にあるかもしれませんよ。

きちんとした計数管理と原価の低減方法の勉強と努力が儲かる建設会社に不可欠です!




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プロフィール
HN:
服部 正雄
性別:
男性
自己紹介:
長年にわたる建設業での総務・経理経験を活かし、”脱どんぶり勘定”を目指す経営者様の補佐役として『株式会社アイユート』を設立し、事業に邁進する。
コンサルティングと原価プロにより、事務処理型の経理からの脱却・攻めのデータ・数値分析手法で経営改善を実現する。

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