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建設業の総務・経理に携わって、数十年… ”脱どんぶり勘定”を目指す経営者様の補佐役として事業で邁進中。日々の出来事や思いを綴ります。
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年商20億円の土木工事のお客様のお話です。 

工事部長さんと営業部長さんが取締役に昇格されました。
 
お目出度いお話ですが、問題は工事部長さんの人件費です。

従来通り自分の現場も持って見えます。 


然しながら、役員報酬となり従来の工事原価の給与手当から販売管理費の役員報酬に会計では処理されます。

 それは会計から見たら正しい処理ですが、自分の現場は持たないで管理側の仕事が増えれば問題ないのですが、お仕事の内容は変りません。 

しかし、原価的には工事部長給与が原価では無くなるので、工事部長の担当現場は粗利益がアップします。 

従来から、未成工事支出金の間接配賦金の中にも計上されております。 

社長のご要望で、会計処理上は販売管理費で行くが、管理会計上は従来通り役員報酬に変わっても原価として計上する。従来と変わらないようにして欲しい依頼でした。 

少し頭をひねりましたが、会計上の完成工事粗利益と同様に、管理会計上の完成工事粗利益が一致すべく方法を考える事が出来ました。 


このように会計の原理原則と実態が合わない事も中小建設業ではある事です。工事毎の粗利益合計から会計の完成工事粗利益に導く迄の計算式が完成しました。


アイユートのノウハウが活かされた方法でした。

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本日のタイトルは建通新聞の記事にあった、日建連(日本建設業連合会)の会員企業102社の2017年度決算の集計からです。

スーパーゼネコンのトップが会長を務める大きな建設業の決算の話ではあります。

記事には粗利益率13%に上昇とあります。

前年より0.6%粗利益率は上がったと言う事です。

更に驚く事は粗利益率は3年連続して10%を超えていますが

2013年は6.1%だったそうで、2017年迄の間に、2倍以上の13%と記事にあります。

建設業が好調であった期間は粗利益率も上昇して更に前年比完成工事高も伸びている会社が63%、37%が減収になっているようです。

私の感想では、大手建設会社の原価集計の方法が、現場管理者の人件費も原価計上の為私のお客様の中小建設業での20%から25%位の会社とは違う事を感じました。

又もう1つ記事には採算重視の受注が定着とあります。つまり儲かり難い悪い仕事は敬遠する事も仕事量の確保が出来ているので可能な訳です。

大手の話ですが、中小建設業も同じような状況であると推察します。

只採算ラインが分って仕事をするのと、採算ラインつまり固定費が幾らかかるかを掴んでいる会社と分らない会社の差は大きいと思います。

粗利益=固定費が収支0の状態、当然ながら粗利益>固定費の状態を経常的に作りだす事

中小建設業にとって重要ポイントと考えています。

これら好況感の業界の話は過去の話です。

将来の話では決して明るい訳ではありません。むしろ暗い予測が多くの方がされています。

自分の会社の固定費把握と工事案件毎の粗利益額予測

これらの事を掴む事が出来る建設会社が勝ち残る事が出来る会社なのではと考えています。



本日も建設業の決算書の話です。

新しいお客様の年商20億円位の専門工事の会社さんのお話です。

新年度からの原価ソフトの導入ですので、決算書を拝見しますと、やはり未成工事支出金の科目がありません。

他の資産勘定の科目を確認していましたら、仕掛品の残高がありました。

内訳書を確認しますと、仕掛品の中に入っていました。
未成工事支出金の事を仕掛工事と表記される税理士さんも見えますので、これは見つける事が直ぐ出来ました。

この資産課目の仕掛品の内訳から未成工事支出金の初期登録をしました。

ところが、未成工事受入金の勘定科目がありません。よく税理士さんが使う前受金の科目もありませんので、未成工事受入金は0円と理解して作業を進めていました。

ところが、他の科目の残高明細を拝見しておりましたら、なんと、なんと

預かり金の科目内訳に工事前受金と表記がありました。

従業員さんの源泉の預かり金と同列に処理されていました。

預かり金で科目処理される税理士さんは初めてです。危うく0円で進める処でしたが、未成工事受入金の金額登録も正しく修正出来ました。

決算書の作成目的に会社の税金計算の一つの通過点と言う考え方もありますが、経営状況を1年間で区切って判断する大事な資料です。

銀行や信用調査機関の外部に見せる形の時に、分り難い科目表示は良くない事だと思います。

さあ、どのタイミングで税理士さんに科目変更をお願いするか

又一つ悩みが出来ました。

建設業以外の業種の方に少しご説明させて頂きます。

建設業の許可を取得して建設業の許可業者になりますと、毎年事業年度終了届の提出が必要になります。

毎年の決算書の報告や許可のある業種毎に売上高の記載又どんな工事を施工したか等提出が義務付けられています。

又公共工事等を受注する場合には、この年度終了届⇒分析センター⇒経営審査を受ける事になります。

前置きが長くなりましたが、本日はこの建設業様式の決算書が税理士さんの作成する決算書と様式が同じであれば余り苦労しないのですが、決算書の作り方が、建設業なのに商業簿記の形式で作られて、建設業様式の工事原価報告書が無い為に会社の経理の担当者や行政書士さん等が苦労する話です。

又建設業の様式の決算書には、独特の科目表示名があったりします。通信交通費と言う科目等は、理由は分りませんが、切手や電話代等の通信費と高速代や鉄道旅費等の旅費交通費と2つの経費を合算したりする必要があります。その他にも建設業様式には会計では個別の科目名があってもその他流動資産等その他で一括表示する為、内容が分り難い設定になっています。

又現場監督さんの人件費が税理士さんの決算書の作り方しだいで、工事原価としての取扱であったり販売管理費としての取扱であったりします。これは売上総利益が経営審査の対象にもなり、決算書の作り方で評価が変わってしまう等可笑しな事もあります。

本日は何が言いたいかと言うと、建設業の決算書、特に建設業の許可業者の場合には、税理士さんも、建設業様式に準拠して作成するとか会計の基準を一定にして頂くとか、建設業の決算書を作る為の講習や資格等を検討する必要もあるのではと思う事。

もう一つは経営者や経理部長さん等が、何が会社にとって高い評価を得られるか、今の税理士さんで会社の評価を得られる決算書の作り方か、経営審査の評価を高くするには、行政書士等の専門職に依頼した方が良いと考えるのか等々

営業や工事施工と同じように経営の一つとして考えて頂く必要があると思う。
数字が苦手な方も仕組み等については知って置く必要があると思います。

何故なら経営者は、自分の会社を儲けさせる義務があると思うからです。
建設業界以外の方に少しご説明すると、通常は工事が完成した時に売上(収益)の計上がなされるのが、建設業の基本です。当然工事に掛かった原価を差引いて粗利益を計上する訳です。

10億以上の大型工事で工期が1年以上の工事については、工事進行基準を適用になっています。

つまり決算時において、工事の進捗度において売上を計上する方法です。

以前にご相談頂いたお客様の話ですが、決算の都合か、通常は完成基準にて会計処理をしているのですが、決算時に特定の工事だけを、そのお客様に決算時の進捗度を書面で頂き、その進捗分について売上を計上してみえました。

その時も思ったのですが、原価との整合性があるのかどうか不明です。
つまり進捗度の計上次第で利益が変わってしまう可能性が高い訳です。

今回あるセミナーで勉強させて頂きました。

①工事収益総額の信頼性
②工事原価総額の信頼性
③決算日における工事進捗度の信頼性

工事進行基準を適用するには、この3つが必要だそうです。

かなり中小建設業にとっては、ハードルの高い3つです。

簡単には超えられないハードルです。

個別原価管理や実行予算等の管理や精度が要求されるどんぶり勘定の会社では難しい訳です。

でも大手の建設会社のように、3つのハードルを越えられる中小建設業を増やす事が私の使命かもと思えるセミナーでした。


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服部 正雄
性別:
男性
自己紹介:
長年にわたる建設業での総務・経理経験を活かし、”脱どんぶり勘定”を目指す経営者様の補佐役として『株式会社アイユート』を設立し、事業に邁進する。
コンサルティングと原価プロにより、事務処理型の経理からの脱却・攻めのデータ・数値分析手法で経営改善を実現する。

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