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建設業の総務・経理に携わって、数十年… ”脱どんぶり勘定”を目指す経営者様の補佐役として事業で邁進中。日々の出来事や思いを綴ります。
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3月決算の年商6億円の建設会社へ訪問中の出来事です。

私は同席した訳ではありませんが、社長から後でお話しをお聞きしました。

メインの銀行担当者から
「社長、決算書の売掛金明細に前々期と同じ社名で、同じ金額の会社が10社程見受けられますが?」
と質問され社長は
「集金できるところもあるが、売掛金を落とすと赤字になるので、残してある」
そんな答えをしたそうです。
びっくりして税理士事務所の担当職員に問い合わせました。職員の話として
「先生から全て明細内訳を記入するように言われていましたので全部書いています」
私は
「延滞売掛金のご説明は明細書を渡した時ご説明させて頂いておりますけど」
担当職員
「でも先生の指示で・・・・・・・・・」

「内訳書はその他何件で記入して頂かないと、銀行から不良債権が落としていない事がばれてしまいました」
さすがに理解されたのか担当職員は
「次回から先生にお話してそのようにさせて頂きます」

売掛債権を貸倒や値引き処理にすると、この会社の様に赤字になったりするので、落とせない会社や、何年も売掛金の残高確認や催促、再請求等をしていない管理の悪い会社も見受けられます。

決算書の内訳書もよく確認して頂かないと、税理士任せはこんな落とし穴もあります。

笑えない本当にあった話です。


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4月決算のお客様で増収増益の年商4億円の専門工事の会社様でのお話です。

2月の試算表で利益が約3千万の見通しでした。経営者から節税策を相談されたアドバイスの一つに倒産防止共済の年払切替のご提案、ご存知の方も多いと思いますが、簡単に申し上げると、掛け金は全額損金処理が出来、万一得意先の倒産等発生時に掛け金の10倍迄無利息、無保証人で借入が出来、また解約すればほぼ全額が戻ってくる制度です。

話は戻りますが、1年分前納する事も出来、最高20万円X12カ月=240万を前納して損金処理しました。

ここからが本論です。6月末に決算書が出来税引前利益770万円法人税等170万円税引後利益600万円となっていました。

税理士さんにお聞きしました。税前利益500万円位の見込みでしたが?又770万円の税前利益で法人税等が少ないのは何故ですか?

税理士さんの答えを聞いて一つ勉強させて頂きました。素晴らしい先生で、倒産防止共済は解約時に戻るお金なので、積立金の資産勘定で処理、税金の計算時に別表で減算してあります。会計学的にはその方が正しいとお聞きして私の疑問は晴れました。

今迄数十社の決算書を見てきましたが、全て保険料の処理で経費処理してありました。私の頭の中に固定観念で経費処理するものと思っておりました。
又殆どの税理士さんが経費処理されていた訳です。

尊敬している税理士さんではあったのですが、更に他の税理士さんとの違いを見せつけられました。
私のお客様を紹介して良かった。改めて感じた瞬間でした。

20代で起業して10年になる土木工事の若手社長から相談があった。

6月20日に入金予定の大口売掛金が入金されず、原因は売掛先の50代の経営者が急病にて病院に入院した為との事

偵察を兼ねて病院に日参しているが、相当に衰弱した様子で、少し待ってくれとお願いされているが、若手社長の方も、入金がないと連鎖的に自社の支払いがショートするので相談があった訳です。

当面の資金繰りのメドをつけてから、詳しくお聞きすると
①社員2~3名の小規模な会社なので、会社の機能不全が予測される事。
②病状が深刻で万一の事態も考えられる。(社長は50代)
③生命保険はあるそうで、万一の場合はそれで払うからと社長が言っている。
④当面病院から遠隔操作で社員と奥さんで請けている仕事を廻す予定。

私は相談者の若手社長に、回収不可の可能性がこのままだと高いと思う、従って自分の会社を守る為に
経営者の妻に売掛債権の連帯保証人になって頂く書類を作って印を押させる事が先ず出来る事ではとアドバイスした。
病院の枕元で、厳しい話で病状など考えたら心を鬼にしないと出来ないかも知れないが是が出来れば、遅れても回収の可能性が出てくるが、最悪の状況を予測すると貸倒になる可能性が高いと話をきいて感じたので若手社長に話した。

頭では分るが、行動出来るか?多少疑問の返事だった。

此処で言える事は3つ、事業をすると言う事はこんな厳しい場面も考えなければならない事。甘く考えると自分も共倒れ更に自社の社員、家族、取引先に迷惑をかける事になる。
行動してやりきる社長と出来ない社長の差が会社を継続する上で差がつく事。
そして小規模の会社では、私自身も含めて、経営者は健康面でも注意が必要、常にこんなリスクを伴い仕事をしている事実はどこにでもあると思う。
リスク回避に生命保険があるとしても亡くなった後の話なので、
会社経営には健康な身体と強い精神力が必要だと思います。

年商3億円の建築リフォーム業のお客様での話

2月分の完成工事一覧表から売上が50万円あるのに原価支出の0円100%粗利益率の工事があった。

担当者に尋ねてみると、塗装工事のA社に仕事をさせたけど、請求書がきていないとの事。

つまり請求を忘れている事になる。仕事をしても請求を出していないA社に問題があるわけですが、私に言わせるとよくある話です。

他の業種では考えにくいのですが、建設業の場合には小さい工事に契約書があるわけでもなく、電話1本で職人さんを手配、材料も手配して仕事をする。

忙しさにかまけて個人が忘れてしまえば、そのままになる。チェツクするルールも無い。日報も無い会社も多い。日報があっても不完全で、確認する事も無い。どんぶり勘定なので忘れている事も分らない。

このお客様のように、システムを入れて運用しているから原価が0円が分る訳で、以前では請求がきていない事も分っていなかった。

どんぶり勘定の恐ろしさです。この損失は仮に40万円の売上が漏れたのではなく、最終利益が40万円減った。更に現金が40万円失った事になる。そこに気付いて下さい。どんぶり勘定の社長さん!
年商4億円位の木工事が得意な工務店で、常用大工さんの日当がAさんは25,000円BさんCさんは16,000円と差がある。
技術力、経験等是までの経緯等で差があると思うが、社長に話を聞いてみると、Aさんの25,000円の方が経費バランスとして結局安くメリット大との事です。
つまり日当の高い方が、高い以上の仕事をしている判断が成り立っている。

又別の年商10億位の建設会社の社長のお話で、住宅公団関係の退去後のメンテナンス、リフォームの仕事で、日当2万円の大工さんに作業を依頼しているが、コスト面で細々した仕事が多く適正原価より高くつき元請の粗利益を圧迫している原因になっているそうだ。
高い技術力の要求されない、退去後のメンテナンス作業なので、日当15,000円位の大工さんに変えたいとのお話を聞いた。

つまり言えることは発注側からはコストに見合った以上の作業をして頂ける職人さんが必要で、安ければ良いと言う事でもない。(安物買いの銭失いと言う言葉もある。)

コストに見合った職人を適材適所に配置しているか?発注者側にとって重要なコストであり、把握、注意する義務をあまり考えていない経営者と、常に考えている経営者の差が大きく開くと思う。

又職人側から言うと忘れられがちだが、自分の技術レベルのUP、人的関係、配慮等人間力のUPを考え発注者の依頼レベルを超える満足の行く仕事をする事が自らの行く末に大きく差がつく事が言えると思う。

そんな事を考えて仕事する職人と黙々と作業に取組むだけの職人とおのずと差がつく事をお伝えしたいと思う。

でも考えてみると職人さんの話ではあっても、自分の話に置き換えて考える必要があると自分でも思いました。


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プロフィール
HN:
服部 正雄
性別:
男性
自己紹介:
長年にわたる建設業での総務・経理経験を活かし、”脱どんぶり勘定”を目指す経営者様の補佐役として『株式会社アイユート』を設立し、事業に邁進する。
コンサルティングと原価プロにより、事務処理型の経理からの脱却・攻めのデータ・数値分析手法で経営改善を実現する。

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