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建設業の総務・経理に携わって、数十年… ”脱どんぶり勘定”を目指す経営者様の補佐役として事業で邁進中。日々の出来事や思いを綴ります。
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今日は個人的な話です。

私が永い間、通わせて頂いたサウナ風呂が7月末で閉店になります。

このサウナでは、毎年夏と冬に、有効期限3年間の回数券を販売していました(昨年から有効期限が2年に変った)

社員やマッサージ嬢等もノルマがあったようで、売込が激しかった事や10枚で1万円で休日等の入場券として1枚使用すれば割安な事、又飲食等の支払にも千円の商品券として使用する事が出来た為常連客にとっては買い溜めしていた方も多くいると思う。

ところが、5月に行った時(3月に行った時はお知らせ等アクションが無かった)マッサージの時に7月末の閉店が告げられた。

言われてみて捜したら、お店の入り口には気が付かない程のA4、1枚の紙に、老眼では読めない位小さな字で閉店のお知らせが書いてありました。

この会社の経営的な事情は分りませんが2016年の12月にも沢山販売しておいて、未使用の回数券の払い戻しの話も有りません。又お店に行かなかったら、金券が紙くずになってしまう所です。早速6月には、友人も同行して、エステやマッサージ、飲食等で沢山消費してきました。

個人的な話はこんな事ですが、前からこの商法はタイトルの将来利益の確保でキャッシュの増加に繋がる上手い商売だと思っていました。

つまり販売時は、当然現金が増えます。千冊(一万枚)売れれば1千万のキャッシュが増えます。会計的には前受金(流動負債です)利息はタダ、しかも将来の売上や利益に繋がる訳です。

使用された時に、前受金が売上に変ります。売上に変った時に入場だけでなく付随した売上が増え当然利益も増えます(売った時点で会社のメリット大)

個人的に気になるのは、未使用の金券の処理です。当然会社が清算になれば雑収入と思います。
でも使えなかった金券の所有者(個人は)は買った時に費用の発生です。だから雑損失も存在しない。(法人購入の場合、会計的に正しく処理は未使用分は在庫のような考え方かもしれないが殆ど費用の処理)

もう一つは、払い戻しの記載が無い(払い戻し無し)の場合個人的な損害が発生するが、誰か文句をいって払い戻し受けれるようになるのか?興味のある所です。

本題に戻ると建設業でもこの考え方は重要です。勿論住宅や、リフォーム等の会社はお施主様との契約時に契約金や工期によっては中間金等を頂きますが、

特に創業したばかりで資金の乏しい会社や、銀行融資が多く資金繰りが厳しい会社等は当たり前ではあるが、下請施工の工事でも、元請先に貪欲に交渉する価値はあると思う。

銀行から借入が出来ず厳しい会社の社長さん、この考え方を少し頭の隅において契約時に有利な交渉が出来るように頑張りましょう!




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お手伝いをさせて頂き、1年経過の年商4億円の専門工事業さんのお話です。

1年前迄は未成工事受入金とか、未成工事支出金等の勘定科目がありませんでした。

請求書の発行=売上高、外注先や仕入先の請求書=原価の発生

会計の仕組みを完成基準に変えた為、売上高の月別の変動は多少ありましたが、工事別の売上高と粗利益高が分る事で、元請別の粗利益の変動が大きい事が分りました。

例えば、A社の仕事は平均30%、B社の仕事は平均10%その位の差がある事が分りました。

又会計上は原価に入っていますが、特定の工事原価ではなく、共通的に掛かる原価を分けて管理した為販売管理費のように固定費として考える原価も判明しました。

社長に決算に合せて、1年間の資料の説明時に儲かる元請先が意外な会社であったり、予想通り、儲けさしてくれない元請先がはっきりしたり一定の効果についてお褒め頂いた。

社長に申し上げたのは、

計数の管理は出来てきました。
後は如何に経営に役立てて頂くか?
幹部に毎月資料を見せながら利益に対する意識の向上を図る。
目標を明確にして、毎月目標に対する、進捗管理を実施等

利益の上がる会社になって頂く為に、暫く時間はかかると思いますが、継続して目標を管理して

努力の要点を粗利益のアップ(売値と原価)において1年頑張りましょうと申し上げました。

結果が楽しみです!
年商5億位の専門工事の会社さんの話です。何時もお話している建設業に多い売上の計上漏れの話です。

今回、気が付かなったら、540万損をする所でした。

経緯をお話しますと、基本的にはこの会社さんは毎月の未成工事一覧表で請求していない工事が担当者に分る仕組みが出来ていますので、工事原価の支出時に工事番号さえ作成して原価を計上すれば請求した工事は完成工事として、原価との差額(粗利益が担当者毎、元請毎に分る)又未請求の工事は未成工事の一覧表で確認出来る仕組みです。

だから売上漏れが起きない筈ですが、今回決算で元請毎に1年間の売上高と粗利益高を検証しました。

すると1年間を通じて赤字になる元請先が有りました。

その元請先の1年間の取引全てを確認した所、1件の工事が60万円で原価が450万円差額390万が赤字でした。

理由を確認すると1ブロックの請負金額が60万原価が45万でした。工事は10ブロック終了しましたが、元請先からの注文書は1件の60万しか到着しませんでした。

当然1件の工事と認識せずに10件の工事を請け負ったように工事受注記録をすれば請求漏れが起きる事は有りませんでした。(注文書の未着に気が付く)

事務方は1件の工事分が注文書到着した時点で完成扱いにしていました。(10ブロックの仕事とは知らなかった)又担当者も注文書が到着していると思い込んでいた。

普通は毎月の売上高粗利益の資料で気がつくはずでしたが、担当者が忙しい事等も有りスルーされていたようです。

しかし決算時に元請毎の売上高粗利益の資料を作成する事で今回のミスが発見できました。

他の例も売上漏れの事例は一杯有ります。他の業種の方からみれば考えられない事ですが、本当に売上漏れは度々発見します。(売上漏れに気が付かない⇒仕組みが無いからその事が分らない)

売上漏れに気が付く仕組み創りが中小建設業の一番簡単な経営改善かもしれません。

この会社では元請に交渉して無事540万の未回収の請求が出来、540万のキャッシュと540万の税引前利益が増えた事は大きな成果です。
最近お取引を頂いた専門工事業の年商10億円位の会社さんでのお話です。

工事統括的お立場の専務さんの勘違いのお話です。

1件5千万円の工事を社内が忙しい事もあり専務の知人の同業の建設会社に消費税だけ儲けさせてくれと、丸投げの形で税抜5千万の工事を税込5千万で発注しました。

専務の頭の中は8%の400万が会社の粗利益とお考えでした。

後から検証させて頂きました。
①5千万-(税込5千万を税抜にした金額)46,296,296=3,703,704が利益である事
②安全協力会費、現場事務所の経費等元請から相殺された金額が約100万あった事(それらは丸投げ先に相殺出来ていない)
③毎月の安全協議会等に専務が参加する経費(役員報酬で販管費の為原価に未計上)推測実費約30万
④安全書類や請求書の発行入金管理等事務的な経費推測約10万

以上を考えると粗利益は400万ではなく約230万此処から会社のリスク経費(何か問題が現場で発生した場合の会社負担リスク)更に元請先の信用リスク等々粗利益率は8%ではなく、230万位の4.6%である事等を社長や専務とお話する事で少しづつ成果が出てきます。

現実に次回から元請相殺は丸投げ先から発注時に相殺する旨改善がなされた。

時間はかかるかも知れませんが、こんな話を繰り返す事で私の理念であります、計数管理で利益意識の向上が幹部から徐々に醸成されて会社全体に広がる事が出来れば、間違いなく稼げる会社に変身すると思います。

遣り甲斐のあるお仕事に恵まれている事に感謝の気持ちです。
本日は少し専門的な建設業の収益計上時の基準のお話です。

新しいお客様で3月決算の会社様のお話です。ゼネコンから専門工事の下請としてお仕事をされています。

決算の打合せ時に税理士さんから、今期から従来の進行基準から完成基準に変更で宜しいですね?
と社長に確認の言葉があった。

建設業の収益計上の基準は工事完成基準と工事進行基準があります。

工事完成基準は工事による完成引き渡し時に完成工事高として収益が計上されます。完成するまでは未成工事として入金した金額は未成工事受入金として前受金と同じように負債となります。
又支出した金額は未成工事支出金として仕掛として棚卸資産に計上されます。

この先生の言われた言葉の工事進行基準とは、工事の進行度合いにより進捗率によって収益計上される形です。

又工事期間が1年以上請負金額が10億円以上の大型工事については工事進行基準の適用を受けます。

進行基準の言葉に食い付く訳ではありませんが、この会社の売上計上のタイミングは元請先に請求書を発行した時が売上(完成工事高)の計上となっていました。

従って工事が終了していても元請から注文書や指定請求書等が未着の場合は売上にならず、契約されている工事の出来高の請求も請求書の発行時に売上計上となります。

つまり進行基準ではなく、請求書の発行時基準で建設業以外の業種の売上基準で決算が行われていたのです。

だから今期の工事別の収益を見ると決算終了後の4月から6月の粗利益率が異常に高くなりました。

これは本来の工事原価の管理が出来ていれば、未成工事支出金として計上すべき原価が前期の原価に計上されて、今期の売上高に見合う原価は既に前期計上済と言わざるをえません。
税務署的にみれば、前期の期ズレとして前期の完成工事原価が過大計上されていたと言われる可能性があります。

従って本来の工事進行基準で決算を実施しようとすれば、工事毎の進捗の確認及び工事に付随する原価が正しく把握する必要があります。(完成基準より難しいと思います)

いずれにしても正しい経営状況を把握する為には工事1件毎の請求管理や原価管理が必要です。

多くの中小建設業ではこのお客様のような問題を抱えたまま決算を実施している現実があります。

儲かる中小建設業には絶対必要な経理の仕組みです。出来ていない会社は是非ご相談下さい。






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服部 正雄
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自己紹介:
長年にわたる建設業での総務・経理経験を活かし、”脱どんぶり勘定”を目指す経営者様の補佐役として『株式会社アイユート』を設立し、事業に邁進する。
コンサルティングと原価プロにより、事務処理型の経理からの脱却・攻めのデータ・数値分析手法で経営改善を実現する。

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