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建設業の総務・経理に携わって、数十年… ”脱どんぶり勘定”を目指す経営者様の補佐役として事業で邁進中。日々の出来事や思いを綴ります。
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お客様の社長と面談中、メインバンクの若い担当者が決算書内容について質問に来た。

4月決算なので、6月末に決算書は提出済です。

社長の要請で同席させて頂いた。

担当者が聞きたかった事は、売上の伸びが前年比40%位あったが、増加の要因と粗利益率の減少理由の二つが、銀行格付けの社内書類に必要で聞きに来た、との事でした。

社長は私がいた事もあり、私から説明させて頂いた。

売上の伸びは、大型案件の受注物件が2件完成した為他は前年と変わりないが、この2件の大型物件が40%の増加分です。

又今期も同じお客様からの大型物件の受注もあり更に伸びる可能性が高く、利益の見通しもお話した。

銀行の聞きたかったもう1つの粗利益の低下の原因についても、工事毎の粗利益が落ちた訳ではなく、決算書上は原価の扱いですが、倉庫の修繕費に利益見通しが高い事もあり節税策で将来に向けた投資で多額の資金を支出した。

自社物件の設備か修繕費かの税務的な話は別として、当社では修繕費の扱いではあるが、外注先や仕入れ先も工事の協力業者を使った為、経理的には原価計上になっている為粗利益率の低下になった。理由を聞いて納得された。

会社に戻って書類が作成できます。こんなお客様ばかりなら有難いのですが・・・・・・・

そこから銀行マンの愚痴として、1行取引で規模は同じ位の建設業で業績の低下で借入稟議に苦労している事。資金繰り表が作れない事。本部から言われている、業績の改善計画が出来ない事等困っている事を愚痴としてお話された。

資料の出ない先は、どうしているのか?聞いてみた。

止む無くその会社の社長や経理担当の奥様から聞き取り調査で、銀行員が自分で作文をして提出するが、その次の年度も改善計画の通りいかないので困っていると話されました。

上席や本部からの問い合わせに答えられない、1行取引で無くサブの立場なら融資も断る事も出来るが、1行の取引なので、資金ショートもさせられないし、胃が痛い毎日です。

そんな愚痴話を社長と一緒に聞かされた。

帰った後社長から、労いの言葉も頂けて私としては良い仕事が出来ている実感があるのですが、

売上の中身や粗利額又粗利益率の推移、来期の見通し等、正しく話す事の出来る社長の会社と何も資料の出来ない会社、実際の決算内容等の数値以上に銀行評価では差が付きます。

又資金調達能力の拡大、会社の将来にも大きく影響します。

内容の分らない社長は自分の財布の中身です。分るようにしなければ会社が成長すればするほど存続リスクが高くなる事を感じて欲しいと強く感じる銀行員との会話でした。
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新しいクライアント先の年商8億円位の専門工事の会社さんの話です。

期首の売掛金と買掛金を決算書を拝見して、原価管理ソフトに残高や社名等を登録する作業の時に経理のご担当の方が、買掛金の残高が無い先、もっと言うと現在取引の無い先が3社程金額にして500万位が計上されているとのお話でした。

よくお聞きすると、その3社の内1社は材料の購入先でも無く、外注先でも無い先で以前に会社の修繕工事を実施した時の工事をして頂いた先のようです。

つまり過年度に請求書を頂いた時に、買掛金の計上と修繕費の計上をされた上で、支払う時に修繕費と預金の仕訳で処理されたようです。

会計の経験者以外は何を言っているのか分らないと思いますので、ご説明します。

つまり修繕費の発生した会計年度で2重に経費を計上した形になっており、そのうち1回分は今でも支払がされていない、負債で残った形です。

当然ミスの話です。修正申告をしないと思いますので、今期に500万は経費の戻入となり、今期の利益が増える事になると思います。

会社の方から税理士さんにお話頂いた結果、会社のミスだから仕方が無いようなお話だったとお聞きしました。

勿論その通りですが、決算作業の段階で、よく見て頂ければ分る話でチェツクのミスは認めて会社側にお詫びしてもよい話だと思いますが、読者の方は如何思われますか?

自分の場合だったとしたら、ミスは認めてお詫びする姿勢は、絶対忘れないようにしたいと思います。


弊社はこの度創立10周年を迎えました。

そして私の書いた “小さな建設業の脱!どんぶり勘定” が発行されました。

ホームページ上でも書籍のご紹介はさせて頂いています。この所ホームページの閲覧数が増加して嬉しい限りです。

先日、創業10周年と出版記念のパーティを開催させて頂き多くのお客様にご参加頂きました。

その中で印象に残るお褒めの言葉を頂きました。

その方は、服部さん凄いね、

“スピーチされる方皆さんが、同じ事をお話頂く事です”
とお褒めの言葉を帰り際頂きました。


つまり10年間中小建設業は、脱!どんぶり勘定を図らなければ、利益の出る会社にはならない。
私の話が、○○の一つ覚えのように、創業以来言い続けている事だと思います。

同じ事を何度も、何度も、申し上げる事でお題目のような効果があったのか?

少しづつ、受入られる方が増えてきた事が10年事業が続けられ、出版させて戴く事に繋がったと思います。

又、出版社の方のご挨拶の中に、何故服部の本を出したかと言うと

『建設業界のお金の流れが素人の自分でもとてもわかりやすく書かれていた事が大きい、是非多くの人に読んでほしい』

そういって頂けた事を励みに今後も、少しでも中小建設業からどんぶり勘定を無くすお仕事を続けて頑張りたいと思います。






建設業の特殊性から毎年建設業の許可業者は、事業年度終了届の提出が必要です。

決算の内容を建設業の様式で県庁等に届出する訳です。

建設業の許可を持っている会社の決算書は公開される仕組みです。

取引先の財務内容を閲覧できる事から、信用調査等取引先の与信管理の一つとして利用できます。

但しコピーは出来ませんので、完成工事高、売上総利益、経常利益、税引後利益迄書き写す作業は要りますが、決算の内容が分る訳です。

これは取引先の内容が分る事、一般の個人の方も、住宅を建てたり、大型リフォーム等個人の方でも契約金等先に建設会社に多額のお金を払う訳ですから、個人的にもその会社の経営内容に興味を持って頂く事も重要な意味を持つのですが、殆どの方はその制度も知りません。

この事がお伝えしたい事の1つですが。

もう1つは、その決算書の作り方が税理士さんの決算書をそのまま書き写せば大丈夫ではない決算書の作り方が多いのです。

何が言いたいかと言うと、税理士さんによってバラバラの作り方です。建設業の様式ではない決算書はもうひと手間必要になります。

この辺りの決算書の作り方について、もう少し統一出来るような改善施策が、税務署と国土交通省や県庁の担当課等で統一規格的な作り方が出来ると業界の改革にも繋がると思う。



お客様の年商4億円の専門工事の会社さんの出来事です。

仕事の多くを大手建設会社の下請受注されている形態で自社が元請として受注する事は僅かです。

自社の職人はメンテナンスの要員だけで仕事の多くを外注先の協力会社に発注しております。

問題が発覚したのは、元請会社からの入金時の相殺処理です。仕事が完成して、請求書を発行してから入金を頂く迄の間が、50日間あります。

対して下請の協力会社への支払サイトは月末締切の翌月末の支払ですので、30日間のサイトになります。

今回大型工事があり、元請先からの入金前に当然ながら下請先への支払はその20日前に終了しております。

元請先からの入金明細を確認した所、多額の現場経費の相殺がされており、請求額からお振込頂いた額は大きく減額されていた訳です。

その20日前には下請先に全額振込支払済みです。つまり相殺すべき金額を把握していなかった事になります。良かったのは、後で話をして次の支払時に相殺できる事になった事です。

元請先によっても違いますが、支払明細が到着するのは支払日の1日前位が多い訳です。中には支払明細を発行しない元請もある位です。

勿論現場担当者が相殺内容等を事前に掴んでおく事も重要ですし、原価管理上も把握して頂きたい事項ではありますが、現実にはお金の管理を全て現場担当者が出来ていません。

この事例に限らず、下請先への相殺漏れについては、どんぶり勘定の建設会社のあるある話ですが・・・・・・・・

この会社の社長の一言が印象的でした。

以前だったら確実に知らない間の出来事で済まされ、うちの会社が全部損を被っていたけど、そういった事が分るようになっただけ成長したわ!

脱!どんぶり勘定の成果の一つです。
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プロフィール
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服部 正雄
性別:
男性
自己紹介:
長年にわたる建設業での総務・経理経験を活かし、”脱どんぶり勘定”を目指す経営者様の補佐役として『株式会社アイユート』を設立し、事業に邁進する。
コンサルティングと原価プロにより、事務処理型の経理からの脱却・攻めのデータ・数値分析手法で経営改善を実現する。

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